Boulangerie Django
ブーランジェリージャンゴ
日本語 ENGLISH
ブーランジェリージャンゴ
2019年 (東京都日本橋浜町)
チェコのキュビズム建築をテーマに、東京都日本橋浜町の製パン店「ブーランジェリー・ジャンゴ」を設計しました。
設計: 鈴木敏彦(ATELIER OPA)+西澤高男(buildingLandscape)
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3丁目19−4
道路から見て左側にパンの売り場、右側にパン工房を配置し、限られた面積を最大限に使うべく、トイレや休憩室を含め、排気と動線と動力を考えて設計しました。
チェコの建築家、パヴェル・ヤナークが設計した陶製のクリスタルボックスがこの壁面のモチーフです。また、特注の照明もチェコのキュビズムに触発されて製作しました。大胆な連続模様が視覚的な遊びを生み出します。
日本初のキュビズムベーカリー、オープン!
人気の製パン店、Boulangerie Django(ブーランジェリー・ジャンゴ)が江古田から日本橋浜町のビルの1階に移転開業した。新たにホテルやソーシャルアパートメントが同時に開発されたエリアで、歌舞伎の明治座とも近く、伝統とモダンなスタイルが感じられる街だ。
何種類かの幾何学模様を用いて、新しくユニークな店を設計した。主なテーマに、パリで生まれ、建築やプロダクトデザインの分野で1911年から1925年にプラハで人気を博したキュビズムを用いた。施工の前にオーナーシェフとデザインチームが一緒にプラハへ旅行し、当時、独立国家としてのアイデンティティを表現するために発展したキュビズム建築のバリエーションを学んだ。その結果、店舗内の壁とショーケースの前面を幾何学形状を強調する立体パネルで覆った。この134枚のスチールプレート溶接による立体パネルには1911年にチェコ人建築家のパヴェル・ヤナークが設計した陶製のクリスタルボックスをモチーフとしている。また、ゴム象嵌仕上の床と、ガラスのファサードの下半分を波線で装飾した。日除けには、このベーカリーが2010年に開業した時からロゴに使っている小麦を繰り返し用いた。さらに、V字型の鋼鉄製の照明をオリジナルに製作した。これらの幾何学的パターンが店舗とパン工房を貫いている。こうして、比類なきベーカリーは通行人の注意を惹き、工芸品のように丁寧に作られたパンが人々の食欲を満たしている。
これまで、日本のベーカリーの多くはフランスのスタイルに従ってきた。実際にオーナーシェフは最新の味と傾向を学びに毎年パリを訪れている。しかし、プラハに焦点を当てたことがベーカリーのデザインに大きな違いを生み出した。光と影が揺れ動き、好奇心をかきたてる独特の空間表現が街の話題となっている。さらに、この店舗の幾何学的なデザインは歴史的な和風のデザインをも連想させることから、東京でのキュビズムの継承は、ベーカリーの再開を国際的なスタイルで表現するのにふさわしい方法だと考えた。街角を飾るベーカリーのアートな存在感が、わくわくさせる街の雰囲気づくりに貢献している。
受賞
Sky Design Awards 2019 インテリア部門ショートリスト
Golden Trezzini Awards 2020 Honourable Mention
施工:平田尚輝(ボノボ)
写真:山田新治郎、杉原有紀 規模
当該店舗床面積 49.16m2 敷地面積 147.32m2
寸法 階高 4,000mm 天井高 3,710mm, 2,870mm
主なスパン 4,325mm×4,850mm 敷地条件
地域地区 商業地域 防火地域 工程
基本計画 2018年6月~2018年8月
設計期間 2018年9月~2019年2月
施工期間 2019年3月~2019年4月
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