Trailer Capsule

for Homo movens

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トレーラーカプセル

動く中銀カプセル 建築から移動体へ
2023年 YODOKO+(ヨドコウプラス)

中銀カプセルからトレーラーカプセルへ

株式会社ATELIER OPA(アトリエ オーピーエー、代表取締役 杉原有紀)は、株式会社淀川製鋼所のブランド「YODOKO+」(ヨドコウプラス)のデザインコンサルティングを手掛けています。YODOKO+は中銀カプセルタワービルから取り外したカプセルを移動可能なトレーラーカプセルとして再生し、2023年4月から展示を始めました。これは、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(代表 前田達之)が取り外した23カプセルの1つを取得したものです。カプセルのデザイン監修を行なったのは鈴木敏彦(1984–1990年に黒川紀章建築都市設計事務所に勤務。工学院大学建築学部教授。株式会社ATELIER OPA)です。

YouTube Trailer Capsule トレーラーカプセル YODOKO+

Copyright 2023 ATELIER OPA + Takao NISHIZAWA

映像のキャプション
“Capsules are a home for Homo movens.” Kisho Kurokawa
「カプセルとはホモ・モーベンスのための住まいである」黒川紀章

12 Apr. 2022
at Ginza, Tokyo. Nakagin Capsule Tower Building dismantling work started.
2022年4月12日
東京、銀座。中着カプセルタワービル解体工事開始。

2 Aug. 2022
Crane removed the A1104 capsule. Renovation of the YODOKO+ trailer capsule has begun.
2022年8月2日
A1104カプセルをクレーンで取り外す。YODOKO+のトレーラーカプセルへの再生が始まる。

6 Oct. 2022
Capsules are under repair. The right end is A1104.
2022年10月6日
修復作業中のカプセル。右端はA1104。

We removed all asbestos used in the inner wall of the capsule. The original 2.5t structural material was thinned and reduced to 2t.
カプセルの内壁に使われていたアスベストは全て除去。オリジナルでは2.5tあった構造材を間引きして2tに減量。

16 Feb. 2023
Relocation to another factory to be fixed to the trailer undercarriage.
2023年2月16日
トレーラーの車台に固定するため別の工場に移動。

Weigh in at the factory. The maximum loading capacity of the trailer chassis is 2.7t.
工場内で計量に向かう。
トレーラーの車台の最大積載量は2.7t。

A weight of 2.67t was achieved by reducing the weight of the skeleton and interior.
スケルトンと内装の軽量化により重量2.67tを達成した。

17 Feb. 2023
Vehicle inspection and registration were done at Kanto District Transport Bureau Chiba Transportation Branch Office Narashino Vehicle Inspection Station.
2023年2月17日
関東運輸局千葉運輸支局習志野車検場にて本車検登録。

The width of the capsule is 2.7m. The conventional loading limit for vehicles was 2.5m or less, but the 2022 revision of the Road Traffic Law Enforcement Ordinance has relaxed the loading width to 1.2 times.
カプセルの幅は2.7m。従来の自動車の積載制限では車幅は2.5m以下だったが、2022年の道路交通法施行令の改正で積載幅が1.2倍に緩和された。

The time has come when capsules can move freely on public roads.
カプセルが公道を自由に移動できる時代が到来した。

17 Feb. 2023
The Trailer Capsule arrived at the Plant of Yodogawa Steel Works, Ltd. in Chiba prefecture.
淀川製鋼所の工場に到着。

Yodogawa Steel Works Co., Ltd. uses the detached capsule from Nakagin Capsule Tower as a symbol of the design brand, YODOKO+.
中銀カプセルタワータワーから取り外したカプセルは株式会社淀川製鋼所のブランド YODOKO+ のシンボルとして保存・活用する。

A new trailer capsule is completed by reducing the body's weight by thinning out unnecessary structural materials and partially regenerating the interior.
不要な構造材の間引きによるボディの軽量化と内装の部分的な再生によってトレーラーカプセルに生まれ変わった。

YODOKO+のブランドシンボルとして

解体された中銀カプセルタワービルから取り外したカプセルは、ATELIER OPAがプロデュースするYODOKO+のブランドシンボルとして、保存、活用します。
2022年4月に中銀カプセルタワービルの解体が始まり、140カプセルのうち、9月に23体のカプセルが取り外されました。淀川製鋼所はその一つを譲り受け、トレーラーカプセルへの再生に着手しました。不動の建築から移動する車両への移行には積載量という大きな壁がありました。しかし、不要な構造材の間引きによるボディの軽量化と内装の部分的な再生によって、トレーラーカプセルに生まれ変わりました。2023年4月、ホモ・モーベンスのための動く住まいの誕生です。

日本建築の歴史的アイコンとしてカプセルを継承

黒川紀章が1972 年に竣工した「中銀カプセルタワービル」(東京都中央区銀座)は、2022 年に老朽化のため解体されました。淀川製鋼所は、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが取り外した23体のカプセルの一つを譲り受け、トレーラーカプセルとして整備しました。日本の戦後の建築の歴史的アイコンであるカプセルを再生し公開することは、同時代を担う企業としての責務であり、世界に向けた持続可能性のメッセージであると考えています。2023年上半期に東京、名古屋、大阪で展示し、拡張可能なコンパクトな空間の機能性・耐久性・デザイン性を伝えます。

空間の拡張性と移動可能性

1935 年に鉄鋼メーカーとして大阪に誕生した淀川製鋼所は、家庭や社会で不足した収納の空間を補うため1970年にヨド物置の製造と販売を始めました。ヨドコウのエクステリアはハウス、カーポ、ごみ収集庫、ガレージ、自転車置場、倉庫として展開し、現在に至ります。一方、黒川紀章は1970年の大阪万博でカプセルのパビリオンを発表しました。メタボリズム(建築や都市の新陳代謝)を提唱し、プレファブ建築のカプセルが来たる情報社会の個人単位のライフスタイルに対応すると考えたのです。双方とも空間の移動可能性を目指し、日本の高度経済成長期の需要に応えるものでした。

ホモ・モーベンスのカプセル

黒川紀章は1969年のカプセル宣言にて、移動する人をホモ・モーベンス、カプセルをホモ・モーベンスのための住まいとして定義しました。1970年竣工のカプセルにはオフィスとホテルの機能が備わっています。10㎡の室内には、ビジネスに必要なデスク、ダイヤル式電話、照明、エアコン、収納棚と、オフの時間に楽しむカラーテレビ、オープンリールのオーディオデッキ、ステレオスピーカー、ユニットバスがあります。キッチンはありませんが、タイプライター、小型計算機の貸し出しとコピーサービスがありました。やがてその先見性を裏付けるかのように。1990年代にインターネットが登場、2000年代に携帯電話が普及、2005年にノマドワーカーが出現、2020年にテレワークが一般化しました。

新しい個性を持った価値の創造

淀川製鋼所は創立90 周年にあたる2025 年に向けて、安全・安心・環境・景観に配慮した建材商品とエクステリア商品を通じ、「新しい個性を持った価値の創造」を目指します。2022年に「ニューノーマルの暮らしをデザインする」をコンセプトに、YODOKO+からHOME OFFICEを発表しました。スーツケース型の開閉式のオフィスはホモ・モーベンスのための書斎です。トレーラーカプセルをはじめ、ホモ・モーベンスのための新しい道具や環境を提案し、空間の移動可能性、拡張性、デザイン性を追求していきます。

メタボリズムの再解釈、トレーラーカプセルへの改修

「YODOKO+ 動く中銀カプセル」を見学できる展示会

展示会は入場無料です。各展示会Webサイトでの事前登録が必要です。
※トレーラーカプセルは淀川製鋼所(ヨドコウ)ブースで展示します。カプセル内部には立ち入りはできません。予めご了承願います。

第16回 エクステリア×ガーデンエキシビション(EXG) 2023 終了しました
URL: http://www.ex-exhibition.jp/
期間: 4月13日(木)・14日(金)
会場: 幕張メッセ(千葉県千葉市) 展示ホール4・5・6

第14回 エクステリア&ガーデンフェア名古屋 2023 終了しました
URL: https://eg-fair.jp/
期間: 5月18日(木)・19日(金)
会場: ポートメッセなごや 名古屋市国際展示場(愛知県名古屋市) 3号館 

東京トレーラーハウスショー2023 終了しました
URL: https://tths.jp/
期間: 5月25日(木)〜27日(土)
会場: 東京ビッグサイト(東京都江東区) 西2ホール

第27回 R&R 建築再生展2023 終了しました
URL:https://rrshow.jp/2023/
期間:5月31日(水)、6月1日(木)、2日(金)
会場:東京ビッグサイト 東1ホール

第16回 関西エクステリアフェア2023 終了しました
URL: http://www.kansai-exfair.com/
期間: 6月8日(木)・9日(金)
会場: インテックス大阪(大阪府大阪市) 1・2号館

淀川製鋼所トレーラーカプセル展示場
 ※一般への公開は行っておりません。

<トレーラーカプセル、カプセル建築プロジェクトに関するお問い合わせ>
株式会社ATELIER OPA
杉原有紀、鈴木敏彦
e-mail: info@atelier-opa.com

YODOKO+ トレーラーカプセル
プロデュース:株式会社淀川製鋼所+株式会社ATELIER OPA
協力:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
内外装再生:株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザイン
再生デザイン:鈴木敏彦
協力:西澤高男
車台製作:トレーラーハウスデベロップメント株式会社
車検:関東運輸局千葉運輸支局習志野車検場
カプセル軽量化・積載:株式会社イエックス
写真:山田新治郎
映像撮影・制作:西澤高男/ビルディングランドスケープ
ウェブ・冊子:杉原有紀

『黒川紀章のカプセル建築』書籍概要

 受賞『黒川紀章のカプセル建築』
日本タイポグラフィ年鑑2023ブック・エディトリアル部門ベストワーク賞受賞

プレスリリース(2022年12月26日)取り外した中銀カプセルはどうする?【受賞記念】『黒川紀章のカプセル建築』出版のOpa Pressが「カプセル建築に関するよくある質問と回答」を公開。

プレスリリース(2022年4月4日)

『黒川紀章のカプセル建築』大阪万博、中銀、別荘からカプセルホテルまで、思想と時代を関係者インタビューと写真で徹底解明!日英バイリンガルの決定版。

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